藤枝西高校 地域に根差した小中学生向け自習室運営(令和7年7月15日)
はばたけ!ふるさとの誇りを担う子どもたち
藤枝西高校では、コミュニティ・スクールの活動の1つとして、高校生が地域の小中学生に勉強を教える活動を行っています。今回伺った「はばたき自習室」は、西益津地区で行っている「日知塾」の活動を拡大し、藤枝中学校区学校運営協議会と協力しながら、昨年度の試行を経て、今年度本格的に運用を開始しました。
参加する高校生や小中学生の声や、活動を円滑に進めるための工夫について取材しました。
順序立てて教えることの重要性を感じています。
鈴木さん(高校2年生男子)
日頃接点のない小中学生と接することができるのがこの活動の魅力です。
私は教員を志望していますが、人に理解してもらうのは難しいと感じます。この子はどこがわからないのかを考え、試行錯誤しながら教えています。順序立てて教えることの重要性や、勉強の大切さを改めて感じています。この経験は日常生活にも生きると思います。
言葉だけでは伝わらないので書いて説明することを心がけています。
森田さん(高校1年生女子)
この活動については入学前から知っていました。部活動や生徒会活動もありますが、「はばたき自習室」に参加する前にできることを全てやって参加しています。
教える経験を通して、苦手だと思っていた科目が実は得意であったことに気づくことができました。言葉だけでは伝わらないので書いて説明すること、公式の成り立ちなどを1から説明することを心がけています。
高校生に気軽に質問できるところがいいところです。
Hさん(中学1年生女子)
「はばたき自習室」では高校生に気軽に質問できるし、難しい問題も一緒に調べて考えてくれるところがいいところです。教えてもらったおかげで国語の成績が上がりました。今年からは弟と一緒に通っています。「はばたき自習室」で学習のリズムをつくることができるので、中学校3年生まで通いたいです。
自分がわかるまで説明してもらえるところがとてもいいです。
Aさん、Bさん、Cさん(小学6年生男子1人、女子2人)
2人が去年から参加していて、とてもよかったと聞いたので今年から参加しています。
1対1だから、自分がわからないところを、自分がわかるまで説明してもらえるところがとてもいいです。高校生とは学校の話や友達の話などもします。
この活動がはばたくためのステップになることを願っています。
塚本さん(藤枝市コミュニティスクールディレクター)
地域の図書館や自習室で放課後に自習する中高生の姿を以前から見ており、地域に自習室のニーズがあると考え、活動を立ち上げました。
教えることは小中学生はもちろん、高校生にとっても刺激になります。
藤枝中学校区では「はばたけ!ふるさとの誇りを担う子どもたち」を小中一貫教育のスローガンに掲げて活動しています。この活動が小中学生はもちろん、高校生にとってもはばたくためのステップになることを願っています。
取材を終えて
藤枝西高校では、スクールミッションとして、豊かな感性と異文化理解の精神を育むグローバルプログラム、コミュニティ・スクール事業などの教育活動を通して、国際的な視野を備え、社会に貢献することができる人材の育成を目指し、地域との協働に力を入れています。本年度「コミュニティ・スクール委員会」を発足し、参加生徒の募集や日程の周知連絡など本事業に関する業務を生徒が担い、生徒を中心とした運営が行われています。委員会活動となったことで他の活動との優先順位も明確となり、より参加しやすい環境が整えられており、教員が活動に関与しすぎないことを意識し、地域の方や参加する小中学生、高校生が中心となって進める活動となることを目指しています。地域に隠れたニーズを地域の方にうまく掘り起こしてもらい、求められる活動を、無理のない形で行うことが成功の秘訣であると感じました。
自習室の休み時間には、廊下でパンやおにぎりを食べながら談笑する小中学生と高校生の姿が見られました。「はばたき自習室」が多くの人とつながることができる「第3の居場所」となっていることを実感しました。
藤枝西高校では、コミュニティ・スクール事業として、今回取り上げた「小中学生の学習支援」以外にも、「花いっぱい」(学校前の花壇の整備)や「スポーツレクリエーション」(軽スポーツを通した地域の方との交流)を進めています。
詳細は学校ホームページ、公式インスタグラムで御確認ください。
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