榛原高校グローカル部 防災への思いを世界へ発信!(令和7年6月16日)

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ページID1072842  更新日 2025年6月16日

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榛原高校グローカル部 防災への思いを世界へ発信!

防災すごろく「ソナ」の取組を、関西・大阪万博で発表します

生徒の写真
左から油井小夏さん、
好沢海詩さん(プロジェクトリーダー)、
髙塚結友さん(部長)

 榛原高校グローカル部「ここよ!避難所プロジェクト」チームの3人は、地域と協働して、防災すごろく「ソナ」を開発してきました。
 その成果を三菱みらい育成財団主催「高校生MIRAI万博 第1部 高校生の成果発表」にて発表したところ、全国から参加した364チーム、約1400人の中から見事最優秀賞に選出されました。
 この結果を受けて、7月31日(木曜)に大阪・関西万博のEXPOホール「シャインハット」においてプレゼンテーションを行い、探究成果を世界に向けて発信することとなりました。
 最優秀賞を受賞し、万博での発表を控えた3人にお話を伺いました。

世界と地域を繋ぐ活動

グローカル部の紹介

――みなさんこんにちは。今日はよろしくお願いします。

(一同)よろしくお願いします。

グローカル部看板

――まずはグローカル部について教えてください。

(髙塚さん)グローカル部は部員49人で活動しており、榛原高校の中でも部員数の多い部です。「グローカル」は「グローバル(Global)」と「ローカル(Local)を合わせた言葉で、世界と地域を繋ぐ活動を進めています。台湾の学校とのオンライン交流も行っていて、SDGs等をテーマに、これまで7回ほど交流してきました。
 部員はプロジェクトチームを組んでおり、教育や美容、海など、テーマを決めてそれぞれ活動を進めています。私たちは高校1年生の9月から防災をテーマに掲げ活動してきました。

「助かるはずの命を諦めたくない」

防災すごろく「ソナ」開発の経緯

――皆さんはなぜ、防災をテーマにしたのですか。

(油井さん)地域の避難訓練に毎年、祖母と参加をしていて、階段を上るのが大変そうな祖母を見たり、高齢の方が避難した先で「もう自分はあとが長くないから避難しなくてもいいかな」と話したりしているのを見て、年齢や身体が不自由であることを理由に避難することを諦めてしまっているように感じたことから、「助かるはずの命を守ることを諦めてほしくない」という思いが強くなり、防災について探究を始めました。
 高校生である私たちが高齢者に直接呼びかけるのは難しいので、まずは小学生をターゲットにし、ゲームで楽しく遊びながら正しい知識を得られることを目指し、防災すごろく「ソナ」の開発を進めました。
 「ソナ」という名前は、災害に「備える」という言葉と、具体的なものを想定するという意味を持つ「ペルソナ」を掛け合わせ、親しみを持って呼んでもらえるよう願って「ソナ」と名付けました。

防災すごろく「ソナ」にちりばめられた工夫

ソナの画像

――防災すごろく「ソナ」を作成する上で苦労した点や工夫した点は何ですか。

(油井さん)小学生にわかってもらうためにはわかりやすく簡単な言葉で伝える必要があります。しかし正しい防災知識を伝えることも必要です。大切なことはきちんと伝えつつ、わかりやすいすごろくをつくることに苦労しました。ひらがなを多くし、難しい漢字にはふりがなをふる、文字を大きくして視覚的に見やすくすること等を心がけました。
 すごろくの途中に話し合いのマスがあるのですが、そこでは話し合いカードを引いて、書かれたテーマについて参加者が話し合います。防災用品として何を持って行くか話し合ったりするのですが、その結果によって後々のコマの進み方が変わるんですよ。

――本当ですね。同じ選択をしても、マスによって3マス進むところもあれば、3マス戻るところもありますね。

(油井さん)そうなんです。防災の選択には絶対的な正解はないということを理解してほしくてそういう設定にしました。

(好沢さん)牧之原市の協力を得て、近隣の4つの小学校で、実際に小学生に体験してもらいました。楽しそうに遊ぶ様子を見たり、アンケートでいろいろな意見をもらったりすることができました。アンケート結果をもとに「ソナ」を改良したのですが、改良後は98%の小学生が「おもしろかった」と回答してくれてうれしかったです。

――どの学校でも防災訓練はやると思うのですが、おもしろいと感じる場面はなかなかないですよね。98%は驚異的な数字だと思います。

「高校生MIRAI万博」への挑戦

――「高校生MIRAI万博」での選考の様子を教えてください。

(髙塚さん)1次の書類選考には364チーム、約1400人が参加し、100チームが選考を通過しました。2次選考はオンラインでのプレゼンテーションで、10チームずつに分かれて行われました。私たちのグループには防災について発表したチームが4チームもありました。さらに直前に発表したチームは石川県の高校で、被災地で実際に活動した様子も盛り込まれた素晴らしいプレゼンテーションだったので圧倒されてしまいました。それで、今回はダメかなって…

インタビューの様子

――本番で手応えがあったわけではないんですね。意外です。結果が来たときはどんな感じだったんですか。

(一同)(笑い)

――ドキドキしながら3人で結果を開けて、やったー!みたいなのをイメージしていたんですが。違ったんですか。

(好沢さん)予定日よりも数日早く結果発表のメールが来たので、最初は全員気づかなかったんです。

(油井さん)夜にたまったメールの整理をしてたら、見た覚えのないメールが来ていて。開いたら最優秀賞でびっくりしました。慌てて2人にLINEしました。

(髙塚さん)私は寝ていて、翌朝スマホを見たら2人からLINEがたくさん来ていて、びっくりしました。

(油井さん)メールには、「全体への結果発表までの数日間、結果の発信等は控えてください」と書かれていて。早く友達に知らせたい!とうずうずしながら過ごしました。

7月31日 大阪・関西万博での発表に向けて

――当日のプレゼン会場「シャインハット」は2000人収容の大きな会場です。夏休み期間で多くの人が集まりそうですね。

(好沢さん)当日に向けて、私たちの取組をどうしたらちゃんと世界の人に伝えられるか考えています。スライドや「ソナ」を他言語に翻訳し、2次元コードを使って母国語で見てもらうことを検討しています。

――当日に向けて意気込みをお願いします。

(好沢さん)緊張しますが、「逃げることを諦めてほしくない」という思いが聞いてくれる人に伝わるように最大限の準備をして臨みたいです。

(油井さん)災害が起こった際には、命さえ助かれば、避難してからのことはなんとかなると考えています。とにかく逃げてほしい。その大切さを伝えたいです。

(髙塚さん)地震などの災害をとめることはできませんが、準備をすることで被害を最小限に減らすことができます。被害を減らしたいという思いを、「ソナ」を通して多くの人に知ってほしいです。

今後の展望

――今後取り組みたいと考えていることがあれば教えてください。

(好沢さん)私たち「ここよ!避難所プロジェクト」チームでは、「ソナ」を静岡県全体に広めること、小学生だけでなく、高齢者にも広めることができたらと考えています。

――実際に「ソナ」を体験してみたい、学校での防災学習に活用したいときにはどうしたらいいでしょうか。貸していただけるんですか。

(好沢さん)現在「ソナ」は6セットあり、貸し出すことも可能です。御希望があればグローカル部にメールで御連絡ください。

――私もぜひ家族でやってみたいです。今日はありがとうございました。

(一同)ありがとうございました。

「ソナ」の貸出について

 「ソナ」の貸出を希望する方は以下のアドレス宛に御連絡ください。

 榛原高校グローカル部メールアドレス

 glocal.haibara@neg.edu.pref.shizuoka.jp

このページに関するお問い合わせ

教育委員会教育政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3168
ファクス番号:054-221-3561
kyoui_seisaku@pref.shizuoka.lg.jp